ロック・ミュージック 3


023

The Heart of Saturday Night

TOM WAITS  トム・ウェイツ

【センチメンタル&メランコリー】真夜中に響く、酔っ払い詩人のしわがれた歌声

 

ラジオでBlue Valentineを初めて聞いたとき、 すぐに気に入りレコード屋さんへ買いに行きました。残念ながら置いてなくて、かわりにこのアルバムを買って帰り、それ以来のお気に入りです。今でも、深夜に一人で聴いてしんみりとする時があります。

 

このアルバムの曲は、どれもジャジーでメロディがとても綺麗です。「酔いどれ詩人」Tomの歌い方も、スタイリッシュでカッコ良く、若い時なので声も今ほどしゃがれていません。

 

聴いていて、不思議に懐しい感じがする所があります。することがなくて意味も無く毎日呑んでいた頃を突然思い出したりして、恥ずかさと懐しさが混った本当に言葉にはできない感じがこみ上げてきます。こういう感情をメランコリックとかノスタルジックと言うのでしょうか。

 

San Diego SerenadeやThe Heart Of Saturday Night、Shiver Me Timbers、Please Call Me, Baby、Drunk On The Moon等、挙げればほぼアルバム全曲になってしまう程、お気に入りの曲がいっぱいでです。 同じ様な曲が続くのに、退屈しないで最後迄聞ける数少ないアルバムです。


022

Brilliant Trees

DAVID SYLVIAN デヴィッド・シルヴィアン

【墨絵のサウンド】Japan解散後にDavid Sylvianが作った、絵画のような静的なアルバム

 

JapanはMick Karnのフレットレースベースが好きでした。フレットレスのベースは、Joni Mitchellのアルバムで聴かれるJacoやBrian Enoのアルバムで聴かれるPercy Jonesなど、ユニークなサウンドが多いです。

 

Japanを解散し、David Sylvianがソロを出すと聞いたとき、Mick Karn抜きのJapanサウンド、まるで炭酸の抜けたビールの様な音を創造しましたが、全く予想は外れました。このアルバムは傑作です!もう何度聴いたか分かりません。

 

1曲目のPulling Punches、Japanの人工的なシンセサウンドと違い、もう少し質量感のある生音が特徴です。実際にはサンプリングかもしれず少々勘違いかもしれませんが。2曲目のInk in the Wellは、ウッドベースがかっこいい。3曲目のNostalgiaはタルコフスキーの映画と何か関係があるのでしょうか?あの映画の雰囲気を音で現したと言われても疑問に思わない、素晴らしい曲です。

 

5曲目のWeathered Wallから、昔でいうとB面は更にアンビエントっぽくなり、絵画的で静かなサウンド、まるで水墨画のような作品です。


021

Carney

LEON RUSSELL レオン・ラッセル

【渋い声とサウンド】特徴的な渋い声、大人のロックを実感

 

昔、ビールか何かのCMにSong for Youが使われて一瞬リバイバルブームが起こりました。僕は、昔からLeon Russellのしわがれた声が大好きで、Neil Youngと同じく万人向けではないですが何故かストレートに琴線に触れます。

 

音楽の要素、メロディとリズム、ハーモニーに加えて、Leonの曲は彼の声がなければいけません。実は、Carpentersもカバーする程Leonの曲の良さには定評が有ります。それでも、誰がカバーしてもその魅力は半減してしまいます。それほど素晴らしく声と曲がマッチしています。このアルバムの1曲目のTight Ropeがるぎようのない名曲なのは間違いなくても、この声で唄われなければここまで良いとは思いません。実際にこの曲のカバーを聴いたことが無くても、そう確信しています。

 

ところで、ある曲が強烈に良過ぎると、その曲ばかりを聴いて他の曲を聴かなくなることがあります。このアルバムだと、Tight Ropeから同じくらい名曲のThis Masqueradeまで飛ばしてしまいます。CDの功罪です。じっくり聴けば、2曲目以降も渋くて良い曲が続く事が分かり益々このアルバムが好きになるのに。。

 

最後のMagic Mirrorは個人的に大好きな曲です。とても良い曲と思いますが地味過ぎる為、当然ベストアルバム等に入るような曲ではありません。でもこれを聴くと、必ずまた1曲目のTight Ropeが聴きたくなります。