状況を分析し意思決定を促す、問題解決のフレームワークを紹介します
問題解決は、常にコンサルティングサービスの基本
問題解決は常にコンサルティングサービスの基本です。
とは言え最近では、インターネットの発達により情報が溢れていて、クライエント企業も相応の知識を持っています。困っているところにコンサルが現れて鮮やかに問題を解決し去っていく、といった映画のシェーンのようなことはあまりありません。
不確実性が増すビジネスの状況下で複雑な問題にどう対応すればいいのか?今日は、問題を解決しようとする状況をまず分析し適した対応を選択するフレームワークを紹介します。
クネヴィンフレームワークは、問題の状況を4つに分類
問題解決においては、何が「問題」かが分かっている状態は、まだ良い方です。本当に混乱を極めると、何が問題かすら分からなくなります。
そういう段階を定義してフレームワーク化したのがCynefin Frameworkです。何と呼ぶのでしょうか?最初は迷ってしまいます。Cynefinはウェールズ語でクネヴィンku-nev-inと発音するそうです。
2007年にHBRに掲載された論文『A Leader's Framework for Decision Making』 によると、問題が発生している状態を4つに定義しています。
- Simple Contexts(簡単な状態: ベストプラクティスの領域)
- Complicated Contexts(複雑な状態: 専門家の領域)
- Complex Contexts(複雑[複合]の状態: 出現の領域)
- Chaos Contexts(カオスの状態: 素早い反応の領域)
Complexはもう20年も前にブームになった概念です。サンタフェ(ある年代の男性には某女性タレントの写真集の方が有名ですが)という研究所が中心となって研究していて、その活動を紹介した『複雑系―生命現象から政治、経済までを統合する知の革命』はベストセラーになりました。
ComplicatedもComplexもどちらも訳は「複雑」ですが、Complicatedは一般の人には複雑でも専門家は原因と結果が見えているのに対して、Complexは原因と結果が人智を超えています。西海岸で蝶が羽ばたくと中国で嵐になる、とかそんな例がよく言われます。
そいう状態の時は、辛抱強く調査して、パターンを見つけるのが大切です。Complexはイノベーションや創造性が出現するとても良い機会です。
複雑な問題には、「1つの正しい答えがある」と思い込まない
今日は、問題の状態を4つに分類するクネヴィン・フレームワークを紹介しました。
実は、もう1つ、5番目の状態としてdisorder(無秩序)というのが有るそうです。対処の方法としては分割して、それぞれが4つのどの状態かと推測して対処します。「あれっ、分割できるんだ」と素朴に疑問に思いました。
【クネヴィン・フレームワーク - 4つの状態と対処法】
複雑な問題に直面して難しい選択を迫られた時は、「1つの正しい答えがある」と思い込まずに、クネヴィン・フレームワークを思い出し、忍耐強く対処してください。
参考文献
David J. Snowden, Mary E. Boone, 2007, "A Leader's Framework for Decision Making"
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