ベアフット・ランニング・ガイド 3

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ベアフット・ランニングの怪我が少ない理由

良いフォーム作りを語る上で、ベアフット・ランニングは重要です。ベアフット・ランニングでは、誤ったフォームのフィードバックが直ぐにあります。例えば、走り始めた最初の10分で水ぶくれを見つけたら、いくつかの原因を考える必要があります。

 

足が地面をスリップしていないか?ベアフット・ウォーキングや他のエクササイズで少しずつ慣らしてなかったのか?ちょっと急ぎすぎたのではないか?

 

正しいフォームを作る練習とベアフット・ランニングを組み合わせて取り組んでいれば、ミスを犯す事は殆どありません。靴を履いて走れば心地よいかも知れませんが、頑張り過ぎや地面を強く蹴り過ぎ、ストライドが大きすぎといった足が与えてくれるせっかくの素早いフィードバックを妨げてしまいます。

 

まず最初はゆっくり走り、地面には軽く着地する、徐々に回数を増やしていけば、靴を履いたランナーが初期によくありがちなミスや後から苦心して改めるようなミスを犯す事を防ぎます。

感想

健康に良いからと走っても、それが原因で腰や足などを痛める残念なことが良くあります。その殆どは、良くないフォームで無理をしたのが原因らしいです。ベアフット・ランニングでは、体が危険をいち早く察知して、直ぐに分かるようになるので、そういう事が起こりにくいのが怪我が少なくなる要因だと言っています。


フォーム作りの最初にやるべき、筋肉を緩める3つのストレッチ

ランナーは筋肉が硬くなりがちです。特に肩や背中、hamstring(膝腱:膝の後ろのくぼんだ所にある太い腱)などです。フォーム作りをする前に、そういう硬い部分を緩めるようにして下さい。

ベアフット・ランニングへの移行時期に緩める事ができないと良いフォームを作る妨げになります。走る前には、ウォーミングアップとして3つの簡単なストレッチをして、筋肉を緩めるのを助けてください。注目は首と肩の部分の張りで、身体の残りの部分にも影響を与えます。ストレッチのポイントは、無理に手を使わず、ゆっくり、注意深く、姿勢正しく等が挙げられます。

 

1.首を前に曲げる

 

首の後ろの部分と肩の上部を緩くするのを助けます。あごが胸につくようにイメージしてみてください。ただし、無理には押さないように。5秒から10秒そのままで、息を吸って、吐いてください。1回のセッションの中で、2、3回実行してください。

2.首を左右に

 

首の側面を緩めるのを助けます。耳が肩につく様にイメージしてみてください。これも無理はしないように。5秒くらいそのままで、息を吸って、吐きます。1回のセッションの中で、2、3回実行してください。

 

3.肩を上げる

 

肩が耳につくようにイメージして、肩を上げてください。上げている時は、前をまっすぐ見るか、目を閉じてください。背中はできるだけ真っ直ぐを保ちます。息を吸いながら5秒そのままにしたら、ゆっくり息を吐きながら肩をおろします。1回のセッションの中で、1、2回実行してください。

 


ランニングフォームの2つの革命

ここ数年の間に、怪我の克服やパフォーマンスの向上を目指して、基本的なレベルで色々なマニュアルが出版さています。ベアフットと平行して取り入れる事で、自分にあった自然な走りのフォームを発見する事を助けてくれると思います。そのなかで、Pose Method と ChiRunningを紹介します。

 

Pose Method

ニコラス・ロマノフ博士の研究がベースになっています。人類の完璧な走りについて終わりが無い研究で、「The Pose Method of Running」という本をだしています。

走りのbiomechanics(生物力学)に焦点を定めており、いかにフォームを改造することで、怪我を防止し、持久力を伸ばし、より少ないエネルギーでより速く走る事ができるかをロマノフ博士はデモしています。

彼の研究と意外な新事実は、世界中のアスリートとコーチにとっては目から鱗です。走るときの姿勢と、足の着地、cadence(歩調)を増やし、足の筋肉を緩める事に着目して、重心を見極めて保つことで、ロマノフ教授の理論はベアフットでも普通の靴を履いたランナーでも両方に上手くあてはまります。

ベアフットランニングに当てはめる場合ですが、Pose Methodは足の前の部分での着地をすすめており、踵は地面に着く必要はありません。回転を続けるにつれ、くるぶしを地面からあげるとき、hamstring(膝腱:膝の後ろのくぼんだ所にある太い腱)で起こします。結果的に、より長いストライドよりもストライドは早くなります。

Pose Methodは、重力が本当はどう働くかを考慮した技術をランナーは知るべきと説明しています。詳しくはWEBで

 

ChiRunning

ダニー・ドライヤーによって開発されたChiRunningは太極拳を基本にしたもので、効果的で自然なフォームが最も重要とランナーに教えています。

ChiRunningはまっすぐな姿勢を保つために体幹を使い、mid-foot landing(足の真ん中で着地)(曲線を付けて作られた底の靴を使えば可能です)、体の重心に足を置くことに着目します。これは、少し前かがみで、膝を曲げ、腕のふりに集中する事で実現できます。このChiRunning固有の考えは、身体の緊張と不快感を解き放つ身体の検査の練習によって、体に対して常に意識的なランナーにします。詳しくはWEBで

 

注意点

多くのベアフットランナーが、Pose MethodやChiRunningやその他のテクニックを彼らのトレーニングに採用しています。ある特定のテクニックの採用が、あなたの要望に合うようにフォームを改造できない事は意味しません。フォームや姿勢、効率的なエネルギー消費についてより深く考えるのを助けるものはどれでも価値がありますが、試すときは、注意深く、ゆっくりと取り入れ、徐々に活動を増やすようにすべきです。

 

感想

Pose MethodもChiRunningも初めて知りましたが、なかなか興味深い内容です。試してみて、いつか紹介してみたいと思います。


自然なベアフット・ランニングフォーム:頭はどうするか?

Pose MethodとChiRunningは、視点こそ異なりますが、どちらも自然なフォームの基礎を教えてくれます。フォームの基本的な要素のいくつかをこれから説明する事で、あなたに合った自然なランニングのスタイルを見つける手助けになると思います。

 

リラックスする(緩める)事に加えて上手に走る最も重要な要素は、体を良い位置に保つ事です。真っ直ぐな姿勢は身体の部分、部分がかみ合って、身体全体が前方に進むことを保障します。悪い姿勢で走ると、走行中絶えず上体の重荷を「運ぶ」ために、足に過剰な負担がかかります。

 

まず頭を下に向けることの問題から説明を始めます。良い姿勢で走る鍵は全てアライメント(体の部分の配置)次第です。

 

走っているとき、頭はどうするか?

ベアフット・ランニングの初心者は足元を見がちですが、10フィート(約3メートル)かそれ以上前方を見て走る事を覚える必要があります。足元を見て走ると、あごを胸元の方にもっていくことになります。結果として首が硬くなってしまい、その他の部分も不適切なアライメントになります。大人の頭は平均10ポンド(4.5キログラム)以上の重さがあり、真っ直ぐな姿勢を保っていないと、支えなければならない首にとっては全くの重荷です。

 

また、顎の筋肉を弛める必要があります。どんな表情でも(笑顔以外です、もちろん)、そのままでいるのは控えると同時に、歯を食いしばるのは止めます。走っているときは、もっと楽に顎を弛めます、あたかもため息をつくように頬の間に口を通って自然に息を吐きます。

 

加えて、頭は左右に振ってはいけません。長く走って疲れてくると、頭が重く感じてきます。ウォーミングアップやストレッチ、上体を(鍛えて)たくましく保つことは、長時間走っているときに、あなたを支えてくれます。走るときに頭が前後にふらつくランナーは、利点となる物理特性を使っていません。頭がぐらついたり、振ったり、揺れたりするランナーは、肩、首、上部に問題が生じる可能性が高いです。

 

感想

学生時代に、体育の先生が、運動神経があるかどうかは走る姿を見ればすぐに分かる、と言っていたのを思い出しました。自然なフォームとは恐らく、疲れ難くくて怪我もし難く、人が見ると美しいと感じる走り方ではないかと思います。


ベアフット・ランニング関連のおススメ本