初心者向け超実践的瞑想ガイド 4

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瞑想時の問題6  退屈する

「1時間ただ静かに坐る、する事は鼻から息を吸って吐くだけ」、これ以上に退屈な事はなかなか想像できません。瞑想の途中は、繰り返し退屈な感覚に陥ります。退屈は心の状態なので、それに対処するには2つの方法があります。

 

方法A:真のマインドフルネスを再び築く

 

今まで当たり前と思っていた物事を、一旦そう思うのを止めてみて、もう一度、真のマインドフルネスの状態で観察してみます。ここでは、例えば呼吸です。そうやって呼吸を見てみると、退屈する事がありません。マインドフルに物を見ると言う事は、子供の心で見るようで、何もかもが新鮮で驚きに溢れています。

 

方法B:心の状態を観察する

 

退屈している心の状態をマインドフルに観察します。退屈とは何でしょう?どのように退屈さを感じているのでしょう?物理的な感覚を伴うのでしょうか?あなたの考え方にどう影響するのでしょう?初めて退屈したと思って、新鮮な目で退屈を視てみましょう。


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瞑想時の問題7  不穏な気持ちになる

私たちの落ち着きのなさは、大抵、無意識に沈んでいるものを隠すものです。あまり嬉しくない出来事は、対峙するよりはむしろ、意識下に埋めようとします。しかし、不幸な事に、完全に埋め切ることができず、隠そうとした考えは、噴き出してきます。そのような不安の感覚は、不穏な気持ち、あるいは落ち着きの無さと呼ばれます。

 

そうなったら、ただ観察して、過ぎ去るようにして下さい。戦ってはいけません。抑圧されたものは表面的で、本当は何を心配しているか、知る事になります。

 

抑圧しようとする不愉快なものの殆どは、罪の意識か意地汚い欲望か、そんなものでしょう。低度の痛みか軽い病気、病気になりかけになりうるものです。どんなものであれ、マインドフルに観察することです。

 

落ち着きの無い状態での瞑想は、瞑想のキャリアにおいても小さなブレークスルーになります。多くの事を教えてくれるでしょう。不穏は、実際には見せ掛けの心の状態、と知ることでしょう。本質的にははかないものです。


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瞑想時の問題8  頑張り過ぎる

初心者は、往々にして結果を求めすぎます。期待が大きすぎるのです。すぐに結果を得ようと、無理やり前に進もうとして緊張し、精いっぱい努力しますが、それはマインドフルネスとは正反対です。

 

結果、殆ど得るものも無く、瞑想は結局たいしたことはない、と決め付けてしまいます。

 

無理に頑張り過ぎることは、柔軟性が無く強直で楽しくありません。罪の意識や自己非難を招きます。頑張り過ぎている時は、、努力は機械的になり、最初からマインドフルネスを挫折させる事になります。

 

へんな期待や努力は捨てて下さい。穏やかにバランスの取れたやり方で単純に瞑想をしてください。瞑想を楽しんでください。


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瞑想時の問題9  がっかりする

無理に頑張り過ぎる結果は、欲求不満です。緊張状態にあり結局どこにもいけません。期待した進歩が無い事がわかり、結局がっかりします。失敗したように感じます。

 

対処法は、そういう心の状態をただ観察する事です。余計な事をしてはいけません。失敗した感じは、儚い感情の反応です。関わろうとすると、あなたの感情を食べてどんどん大きくなります。ただ観ているだけに徹すれば、過ぎ去っていきます。

 

瞑想中に、がっかりした、マインドフルでいるのに失敗した、と感じたら、そういう失敗の感覚に対してマインドフルになってみて下さい。もう一度、マインドフルネスを確立しようとする最初の一歩です。失敗の感覚の理由はもう過去の記憶です。瞑想中には、失敗した、というようなことはありません。たしかに障害や困難はあります。でも、あきらめない限り、失敗はありません。

 

マインドフルの状態じゃない、と気づいた瞬間、それ自身が、マインドフルの働きです。なので、瞑想する努力を続けてください。感情の反応で、脱線しないで下さい。


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瞑想時の問題10  瞑想に抵抗感をもつ

瞑想したくない時があります。1日くらいサボってもそんなに重要ではありませんが、サボりはすぐに癖になってしまいます。そうなると瞑想する事に抵抗感が出てきます。

 

瞑想を避けようとする気持ちを観察してください。たいていの場合は、線香花火のように消えてしまいます。5分も瞑想すれば、消え去ってしまいます。

 

そうでない時は、その日の不機嫌な気分によるのかもしれません。無視して、20分か30分程度の瞑想すれば、残りの時間で消えてしまいます。

 

それでもない場合は、マインドフルの練習自体に何か難点があるのかもしれません。それが何かは分かっている場合もあれば、知らない場合もあるでしょう。もし問題が分かっていたら、この本で述べたテクニックのどれかを使って、解決してください。もし問題が解決したら、抵抗感も消え去るでしょう。

 

もし、問題が分からなければ、抵抗感を持ったまま瞑想をして、注意深く自分の気持ちを観察してください。その問題が起こったら、何なのかを確かめてください。

 

もし、抵抗感が日常的になってしまったら、基本的な態度に若干問題がある場合が考えられます。瞑想は、特別な姿勢で行う儀式ではありません。苦行でもありませんし、退屈を強いるものでもありません。瞑想はマインドフルネスです。新しいものの見方です。瞑想はあなたの友達です。そのように扱ったら、夏の微風での煙のように、問題は消え去ってしまうでしょう。

 

もしこれら全てを試して、まだ抵抗感が残るのであれば、この本の範囲を超えた形而上学的な障害かもしれません。通常、初心者には関係ないのですが、起こらないとも限りません。その場合も、あきらめないで、認められたヴィパッサナーの師を探して、助けを求めてください。かれらはその為に存在しているのですから。


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瞑想時の問題11  ぼうっとするか倦怠

深くリラックスするにつれ、筋肉は緩み、神経の伝達は変わってきます。とても静かなものを感じ、多少心が身体から離れていくのがわかります。

 

これはとても良い状態ですが、続けるにつれて、この喜ばしいという気持ちが強くなってきて、呼吸への注意を妨げるようになります。この状態を楽しむ事に溺れるようになり、マインドフルネスに向かわないようになります。注意は散漫になり、無関心にこの快楽に流されてしまいます。

 

対処法は勿論他の問題と同じで、マインドフルにこの現象を観察すれば、その気持ちは消えていきます。喜びが心の中で起こったら、それを受け入れて下さい。避ける必要はありませんが、それに覆われてしまってはダメです。物理的感情なので、そのように取り扱ってください。感情は感情として、倦怠感は倦怠感として観察してください。それらが起こって消えるのを見つめるだけで、関わってはいけません。

 

瞑想をすれば、色々と問題が起こるでしょう。みんなそうです。それらをひどい厄介と思う事もできるし、克服すべき挑戦と思う事もできます。重荷と思えば、苦痛がただ増すだけです。学び成長する機会だと思えば、あなたの精神は制限なく成長する見込があります。

マインドフルネス、メディテーション(瞑想)のおススメ本