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プログラムマネジメントは、プロジェクトマネジメントの上位の考え方です
プログラムは、プロジェクトより広い範囲をカバーする概念
殆どのサラリーマンが「プロジェクト」という単語は頻繁に使っており、社内でも色々なプロジェクトが走っていると思います。
しかし、PMI(Project Management Institute)といった標準団体では、プロジェクトとプログラムを明確に分けています。
プログラムは、プロジェクトより広い範囲をカバーする概念です。
プログラムの成功は、4つのCapability(能力)
プロジェクトは開始時に殆どゴールが決まっています。それはQCD(Quality, Cost, Delivery)という3文字で良く表されます。QCDを守ってプロジェクトを終了すれば、そのプロジェクトは成功した、と言えます。
プログラムの成功は、プロジェクトよりも広範囲です。例えば、計画通りのコストとスペックでターゲット期日までに新製品を開発したが全く売れなかった、という場合には、新製品開発プロジェクトは成功したが、新製品による売り上げ向上プログラムは失敗した、と言えます。
プロジェクトのQCDと同じ様に、プログラムの成功を測るにはどんな観点が必要なのでしょうか。2012年のProject Management Journal掲載の論文『Measuring Program Success』 によると、以前の研究として6つの要素を挙げています。
- Program Efficiency(効率性)
- Impact on Program Team(プログラムチームへのインパクト)
- Stakeholder Satisfaction(ステークホルダーの満足)
- Business Success(ビジネス上の成功)
- Preparation for the Future(将来への備え)
- Social Effects(社会的影響)
先ほど挙げた例だと、新製品が売れれば少なくともBusiness Successの観点からは成功したプログラムと言えそうです。
それらを踏まえ今回の論文では、プログラムの成功を4つのCapability(能力)と結論付けています。
- Delivery Capability(プロジェクトの成果物の能力)
- Organizational Capability(組織的能力)
- Marketing Capability(マーケティングの能力:プログラムと組織戦略との関係)
- Innovative Capability(イノベーションの能力:技術革新)
最後の「イノベーションの能力」が他の3つと同列になっているところは読んでて少し疑問が残りました。書かれている2つの項目を見ると、New TechnologyとTechnology Leverageとあり、どうも技術革新を指すようです。
プログラム及びプログラムマネジメントの考え方を、ビジネスに取り入れてください
今日は、プログラムマネジメントから見た「プロジェクト」の成功について紹介しました。
プロジェクトは知っていても、プログラムについては初めて知った人も多いかと思います。ぜひ、「手術は成功したけど患者は死んだ」ということが無いように、プログラム及びプログラムマネジメントの考え方をビジネスに取り入れてください。
参考文献
Jingting Shao, Ralf Müller, J. Rodney Turner, 2012, "Measuring Program Success"
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