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今のビジネスの多くの事が、日本人には腹落ちしていない理由とは?

「日本語をさかのぼる」の大野先生は、やまと言葉には抽象語が少ない事を指摘しました。抽象語は漢字による造語を使い、やまと言葉を放棄したのが原因だそうです。

抽象語は日常語の派生なのに、やまと言葉の抽象語を放棄

つい先日も仕事でそれを経験しました。ある会議で、マネジメントを管理という訳にしたのは、コントロールと混同されてしまうので、大変な間違いだったという話になりました。では、どんな訳が適当かとなり、誰かが「やりくりでは?」と言いました。「意味はぴったりだけど、家庭の細々とした事みたいで、事業ってスケールじゃあ無くなるね」と笑ってその場は終わりました。

 

私たちが今盛んに使う横文字の抽象語も、日常語から派生させた語です。例えば、「経営はコンティニュイティーが大事です」とあるコンサルが言ったとしましょう。「何だよ、コンティニュイティーって」て思いますが、これは英語のcontinuityです。「横文字わかんないよ、日本語だと何?」と聞き返し、「連続とか一貫性の意味です」とコンサルが答えると、「ふ~ん、そうか」となります。

 

英語のcontinuityは印欧語のtenが語源です。tenは張るという意味で、太鼓の革を張って周囲を鋲でしっかりとめるという意味合いです。tenがtinの語形になり、ず~と保っているという意味からcontinue(つづく、つづける)、その名詞でcontinuityになりました。

 

やまと言葉以外は、実感が沸かない

日本語は、横文字だけでなく漢語でさえも日常の感覚からかけ離れています。先程の例では、レンゾクとかイッカンセイという音だけ聞くと、ツヅクとまったく関連が分からず何だか実感が湧きません。当然です。漢語なのでやまと言葉の「つづく」との関連は全くありません。漢字を使うようになってからもう随分年月が経っているのに、未だに頭では理解できても、すんなり意味が入って来ません。ましてや、人の心を本当に動かす事など全くできません。

 

経営関連には、やまと言葉が殆どない

現代の経営、企業活動に関する会話で、やまと言葉が使われる事は殆どゼロに近いのが現状です。経営に関するコンセプトやフレームワーク、その理論も全てにおいてです。唯一例外なのは、トヨタ生産方式が国際化したLEANで、これは逆に、ムリ、ムダ、ムラなど現場でも使っている日本語がそのまま英語になっています。

 

日本の経営に二流、三流が多い理由

もしかして、いつまで経っても日本に、「現場は一流、経営は二流、三流」が多いのは、この辺りが原因なのかもしれません。やまと言葉で話す現場と、借り物の横文字で話す経営、頭では分かっていてもそれを使いこなして実行できない、それは日本人の心を動かすやまと言葉で考えていないからだと思うのです。

 

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今日紹介した本です

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