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日本人は「しきたり主義」、合理性は問われずただ守られる

 

 

外出の自粛要請が出れば、土日は守るけど、平日の出勤はあまり減らない。どういう理屈で世の中は動いているのでしょうか。

コロナ対策は各国様々

本当にコロナ対策は各国様々です。やはり民族の特性は、まだまだ変わらない、という事でしょうか。

 

それでも、日本は他国とはかなり異なる対策を取りました。PCR検査の方針もそうですし、緊急事態宣言も、「欧米のような都市封鎖(ロックダウン)にはならない」と安倍総理が強調していました。

 

ここでも「欧米のように」と、独自性を意識している日本が有ります。

 

日本人は「しきたり主義」

山本七平の『危機の日本人』では、欧米人が見た明治以前の日本人の記録を紹介しています。ここで気になったのは、1860年(万延元年)のプロシアの「プロシアの東アジア遠征期」です。

日本人というものは、暴君のような父親から行儀よくおとなしく教育された児童のようだ。彼らは他人のものを盗むことが無い、つまみ食いもしない、着物を汚すことも無い。また一度でも物乞いをすることもなく、常に自分が所有するだけのもので満足し、行儀よく外国人と握手をする。見たところまるで仕つけのよい子供のようだ。

山本七平「危機の日本人」より抜粋

 

この辺は、なぜ日本人がおとなしく外出自粛をするのか分かる気がします。とにかく主張しない性質です。

指先大の大きさの小さな煙管から煙草を吹かし、小さな茶碗で茶を飲む。小さな書物の中に文字を記入したりして、幸福にして満足そうに見える状態を選んでいる。誰一人として不平を称するものもなく、なさねばならぬことは必ず実行しているが、それ以外のことは決して行わない

山本七平「危機の日本人」より抜粋

 

やたらと「小さな」を強調しています。恐らく、欧米人から見たら本当に小さかったのでしょう。日本人がモノを小さくする傾向は現在も変わりませんし、誰もが通勤時に小さいスマホを見ている風景も変わりません。SNSやテレビのインタビュー等で不満を言ってもその程度で、本気で政府に抗議する人など誰もいません。外出自粛で地域の店が困っていても、自ら行動を起こす人もいません。

 

山本七平はこれを「しきたり主義」と命名しています。

慣習の積み重ねの中で法律のようになった「しきたり」は将軍と言えども無視できない。これは専制主義というより「しきたり主義」という方が適当であろう。この主義は別に合理性はなく、ことごとく不合理なものかも知れないが、これが「驚くほど賢明に遂行され」て、秩序を保っていると彼は見ている。

山本七平「危機の日本人」より抜粋

 

「人との接触を8割削減」が目的であれば、その達成のためにやるべきことをやるのが合理的だと分かっていても徹底できない。ただし、何となく5割程度は減っている、というのが日本です。江戸時代から変わらないですね。

 

非常事態でも、会社に行く「しきたり」は急には変わらない

今回は、外出自粛から、日本人の秩序を保っている仕組みを紹介しました。

 

「しきたり主義」は、突然の変化には対応できません。会社に行く「しきたり」はなかなか変えれない、という事ですね。しかも、抗議するよりは諦めて通勤電車に乗っている人が殆どです。

 

これ以上感染者が増えて、なんとかその秩序が壊れない事を祈っています。

 

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