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粗削りで荒々しい、嵐のような暴力的サウンド

 【ライブアルバム紹介】

Earthbound

King Crimson キング・クリムゾン

CDが出る前は、オーディオマニアと呼ばれる人達が結構周りにいました。最近ではあまり見掛け無いでかいスピーカーの下にコンクリートのブロックを敷いたりして、良い音の為にひたすら奇妙な努力を重ねていました。ただいくら努力しても元の音源が悪ければ限界が有り、おのずと一般的に音が良いと言われるレコードを好んで聴くようになります。

 

そういう人達が絶対に拒否反応を示すと思うのがこのライブアルバムです。なんと家庭用のカセットテープで録られたそうです。僕も、昔ラジオで聴いてあまりの音の悪さにビビってしまいレコードは買いませんでした。改めてCDで聴いてみるとエフェクトをかけてわざとデフォルメしているようで意外にすんなり聴けます。

 

オープニングは超がつくほど有名な21st Century Schizoid Man。昔は「21世紀の精神異常者」という邦題だったはずですが、今はAmazonで検索しても出てきません。確かにSchizoidは精神分裂症(今は統合失調症)という病気で、「異常」ではありません。それが原因でしょうか?

 

ここでのRobert Frippのギターソロが「無意識を音にした」とか、意味不明な事を昔は言われていました。ギターソロに続くパワフルなサックスのソロは凄い!題名はさておき、狂っていて恐ろしい感じが伝わってきます。初期の特徴だった感傷的なメロトロンの音を否定する、暴力的なギターとサックスです。

 

21st Century Schizoid Manが終わるとどうしても反射的に例のフルートのイントロが頭の中で聞こえてきますが、2曲目は Peoria。サックスのソロで始まります。ジャズっぽいジャム・セッションみたいな感じです。ボーカルは、途中少しだけ歌詞が入る所がありますが、基本は絶叫スキャットです。ライブなのにフェードアウトして、3曲目のThe Sailor's Taleがギターのソロでフェードインしてきます。 Frippのロングサスティーンのギターが堪能できる曲です。この曲も途中でフェードアウトしてしまいます。

 

短いドラムソロで始まるタイトル曲は、サックスがメロディを奏で、ボーカルは絶叫スキャットで。。あれっ、ほぼ2曲目と同じです。最後の曲はGroon。これも似た感じです。どうやら、21st Century Schizoid Man以外は、コンサートからバサッと切り取った感じの曲が並びます。途中でドラムソロ(後半はシンセ音と絡み)が入るなどして、かなり長い曲になっています。少し飽きかけた頃、Frippのウネウネっとしたフレーズのギターがブレイクしてきて、コンサートは終了です。

 

サックス入りの暴力的サウンドに興味があるなら、これもおススメ!

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