イノベーションのフレームワークを紹介します
「日本は特別」は、いつまで続けられる?
世界中の多くの地域で依然として多数のコロナの感染者数が出ている中で、なぜか日本は収まっています。
どこか日本は特別、他の国とは違う感じがします。
これまで、経済でも実は内需が主でした。多くの企業ではかなり視点は内向きで「日本は特別」という意識があります。しかし人口減少によるマーケット縮小のため、そうも言ってられない厳しい現実が待っています。
日本企業や社員は変わることができるのでしょうか?
内外のエージェントが出てくる、イノベーションのフレームワーク
コンサルをやっていて、一番イヤなパターンは丸投げです。このパターンになるとレビュー会議はいわゆる「御前会議」です。資料作成や意思決定に物凄く手間がかかる割には何とか案がまとまっても、結局実行されずに終わることが多いです。
こんな時はコンサルの必要性を疑ってしまいます。しかし、AOM掲載の論文『MANAGEMENT INNOVATION』を読むと本来イノベーションを起こすには、内部と外部のエージェントが必須のようです。
タイトルがInnovation Managementでないのが目を惹きます。内容も素っ気ない論文形式ではなく図も入っており、HBRの記事のような感じです。
それもそのはず、共同著者のGary Hamelは有名人で『コア・コンピタンス経営』や『経営の未来』といったベストセラーがあります。『経営の未来』のサブタイトルには「マネジメントをイノベーションせよ」と、論文と同じタイトルを出版者が付けています。
論文では、イノベーションを以下の4つのフェーズに分けており、それぞれにおける内外のエージェントの役割を説明しています。
- Motivation (動機)
- Invention (発明)
- Implementation (実装)
- Theorization and Labeling (理論化とラベリング)
これを見ると、内外のエージェントが有機的に結びついて案件を進めていくことが理解できます。
昔、カレン・フェランの『I'm Sorry I Broke Your Company: When Management Consultants Are the Problem, Not the Solution』を読んでて、「そうだよな、何でわざわざ高い金を払ってコンサルを頼むんだろう、自分達でやればいいのに」と丸投げパターンが頭に浮かんでとても実感した事がありました。
けれども、企業のイノベーションには外部のコンサルも不可欠だと知り、少し自分の職業の意義を見直しました。
イノベーションのプロセス(しくみ)を理解する事で、内部に成し遂げたいという意志を持っている役員・社員が居るといった条件が整った案件では、今よりもう少し効果的に進められそうです。
実は本も読んだ事があったが、記憶にない
今日は、イノベーションのプロセスと、不可欠な内外のエージェントの考え方を紹介しました。
正直に白状すると、ハメルの『経営の未来』は読んだはずなのに当時はピンとこなかったのか、全く記憶がありません。
もう一回、ハメルの著書を読み直してみようと思いました。今回紹介したのは概要だけですので、もう少し中身も詳しく紹介してみたいですね。
参考文献
Julian Birkinshaw, Gary Hamel, Michael J. Mol, 2008, "Management Innovation"
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