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クラシックの先入観を裏切る、もう感動しかない!

 

Silencium

JOHN HARLE ジョン・ハール

 

格調高いという事は、えてして重々しい感じを与えるものが多い気がします。音楽で格調高いと言えばクラシックです。あれ程軽やかだったバロック音楽から年代が経つにつれ、どんどん重々しくなっていきました。軽くて分かりやすいものは、俗っぽい大衆音楽と思われて馬鹿にされる、と作曲家があえて考えたわけではないと思いますが、聴いてると何か暗くなってきます。

 

このJohn HarleのSilenciumは、クラシックとは思えないほどポップで軽々しく、気持ちが明るくなります。メロディも美しいし、落ち着いた感じが、日本でヒーリングミュージックと言われたのも納得できます。女性ボーカルがクラシックの発声でなければ、クラシックというのを忘れてしまいそうです。1曲目のMorning Prayerは、鐘の音で始まり、清楚な女性ボーカルが入ります。ゆったりしたリズムで後半は子供の合唱隊も加わります。なんかもう心が洗われ感じです。2曲目のSpirituはパーカッションのリズミカルなイントロが特徴、3曲目のAir & Angelsはギターの間奏がポイントで、とても良いアクセントになっています。というように、全12曲、どの曲も本当に良く出来ています。6曲目のAstreaは日産のCMに使われたそうです。

 

クラシックやジャズ、更に詳細化されたカテゴリーは、その名前からある程度の音を聴く前から想像させます。普通は似た感じの音が好きなので、カテゴリー分けするのは親切なのでしょう。でも、このアルバムがクラシックしかも現代音楽というジャンルに当たるために、はなから聴く気になれない人がいたらとても不幸です。クラシック=重々しい、現代音楽=退屈、わけが分からない、といった従来の型にはまったイメージを打ち破るこのアルバムは、確かにマーケティングが難しいとは思います。ヒーリングミュージックとして宣伝したのは良かったと思うと同時に少し残念です。そういう効果を求める人向けだけでは範囲を狭めます。もっともっといろいろな人に聴いて欲しいと思います。

 

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