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その生涯を探る、「心の平静を得た」ブッダの最期の時が教えてくれること - 都市生活者のエンライトメント (2)

 

欲望を抑えて心の平静を得ると、人間性まで失われるのでしょうか。

 

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「悟った人=完璧な人」は間違い

ブッダは偉大過ぎて、その死後には激しい神格化が起こりました。

 

ブッダの心を平穏にする方法が失われたのも、「ブッダと同じように悟るなんてとんでもない」という忖度そんたくが原因だと思っています。広めるために死ぬまで説法を続けたのに、教えてもらう方が遠慮して引いてしまうなんて、とても残念な事です。

 

今日は、「悟った人=完璧な人」という印象が間違いである事を紹介します。

 

ブッダ最後の旅、悟った人の臨終までの姿

「悟った人」というと、なにか超能力者とか完璧な人という印象を与えます。「仏教思想のゼロポイント」によると、完璧な人というのは大乗仏教の影響だそうです。

日本では、大乗仏教の影響で、「悟り」と言えば円満な人格完成者としての仏の悟りのイメージが強いから、解脱・涅槃を証得した人は、同時に世俗的な意味でも非の打ちどころの無い善人となり、また日常の振る舞いにも拙いところは全くなくなるはずだと、考えている人は多いかもしれない。

魚川祐司「仏教思想のゼロポイント」より引用

 

「ブッダ最後の旅」を読むと、そんなイメージが打ち壊されます。まず、「悟った人」ブッダが非常に「気配りの人」だった事が分かります。

 

食あたりを起こした食べ物を提供したチュンダが死後周りから責められないようにしたり、号泣するアーナンダに言葉をかけたりと、やさしい気遣いを見せています。

 

次は、大きな組織を運営する長としてのブッダです。

 

教団の問題児チャンナには清浄な罰を加えなさい、と指示したり、自分の死後の色々と細かい事を指示したりしています。

 

そして、感情も残っています。死んだ人の名前を次々と挙げ、死後どうなったのかといちいち聞いてくるアーナンダーに対して、いかにもウザイなあ、みたいな反応をしています。

さて、アーナンダーよ。人間たるものが死ぬというのは、不思議な事ではない。しかしもしもそれぞれの人が死んだときに、修行完成者に近づいて、この意義を尋ねるとしたら、これは修行完成者にとって煩わしいことである。

中村元訳「ブッダ最後の旅」より引用

 

さらに、これは驚きました。

 

「うるさい事を言う人がいなくなって清々した」みたいな事を言う人が死の直後に教団の中に居て、それがブッダの神格化の波が著しい仏典に残されている事が、非常に衝撃でした。細かい事に口うるさい人だったのかもしれません。

さて年老いて出家したスパッダはそれらの修行僧にこのように言った。

「やめなさい、友よ。悲しむな。嘆くな。われらはかの偉大な修行者からうまく解放された。(このことはしてもよい。このことはしてはならない)といって、われわれは悩まされていたが、今これからは、われわれは何でもやりたいことをしよう。またやりたくないことをしないようにしよう」と。

中村元訳「ブッダ最後の旅」より引用

 

悟りを開いた人として、超能者で奇跡を起こして欲しいという信者の願いに反して、「疲れた、横になりたい」を何度も口にして、最後は食あたりで死んだブッダ。これを読むと、ブッダがより偉大な存在に思え、彼が見つけた心を平穏にする方法を、是非本人から直接教えを受けたかったと思いませんか。

 

「悟り」に対する考えが変わった?

今日は、「悟った人」ブッダの最期を記述した仏典のエピソードを紹介しました。

 

日本人の「悟り」のイメージを打ち壊す内容で、「悟り」に対する考え方も少し変わったのではないでしょうか。

 

次回から、ブッダの心を平穏にする方法の理論的な考え方を、もう少し詳しく追っていきたいと思います。

 

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