歌(ウタ)の語源は

前回は語根について学び、単語から語根の抽出例としてシズカ(静)を取り上げました。

 

とても面白かったので、もう少し例を紹介したいと思います。

語根とは?

そこで、従来、一纏りとみられていた語を分析して、これ以上分析できないという所までに至ったものを語根と考えることとして、語根の抽出を試みる。
大野晋「日本語をさかのぼる」 

語根の分析例:ウタ(歌)

ウタ(歌)の語源は、打ツという動詞の名詞形という説があります。歌は拍子を打って歌う、だから打ツモノ、打ツコトが「歌」の語源になるそうです。

 

しかし、大野先生は、「打タ」説に異論を唱えます。大野先生の説では、ウタとは、「内心から発する声として捉えて命名した語」だそうです。それは、ウタの単語家族であるウタタやウタデ、ウタガフを吟味すれば明らかです。

 

ウタとは「自分の思うところ、心に湧き出ること」

ウタタは、「物事が湧き出るようにどんどん進むさま」という意味、ウタテと変形すると、「度合がとめどもなく進むことにあきれた気持ち」を表します。

今でも使うウタガフは、「相手や対象に虚偽や誤りがあると思う自分なりの根拠を持っていて、相手を信じないこと」、ウタガヒとは、「相手を信ぜず、自分の推量することが実際にあるだろうとの思いをさしはさみ、言い訳をいうことです。
これから語根としてのウタの意味がわかります。

「自分の思うところ、心に湧き出ること」の意で、事の正邪、真偽にかかわらず、内心から噴出してくる思念である。

実は、漢字には「歌」と「詩」の二種類があります。「歌」は、声に曲節をつけて発声するという意味で、「詩」は止むに止まれず湧き出て外界に向かってまっすぐに発進する事、という意味です。語根のウタは「詩」と同じで、「歌」は宛て文字だそうです。

 

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