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大昔の日本人は、どう世界をとらえたか?空間編ラスト

 

空間編の最終回、英語ではSOUTHとNORTH、日本語の南北(ミナミ、キタ)の語源を紹介します。

北と南の語源を、一気に紹介

 

日本人の空間のとらえ方を語源から知る試みの第三回です。

 

前回、前々回とで東西を紹介しました。いずれも、太陽の運行に関連した語源という事がわかりました。

 

今回は、日本人の方向/方角ほうがくに関する語源の最終回として、南と北を一気に紹介します。

 

ミナミはどこから来たの?全く不明

印欧語系では、南の表現は4種類に分かれるそうです。

  1. 真昼とか耐油の方向とかで南を把えるもの
  2. 正面、前面の意を用いるもの
  3. 右側と言う単語で把握するもの
  4. 風の名による命名(「南風」)

日本語の南(ミナミ)は、どれかというと全く分かりません。なぜミナミと呼ぶのか不明だそうです。

日本語のミナミの語は奈良時代の万葉仮名で書いた正倉院文書の手紙に「美奈美」とあるが、これについては未詳である。

実はミナミのほかに、カゲトモという単語が昔は有り、こちらは語源が分かっています。

これはカゲ(光)ツ(の)オモ(方向)のつまった形である。光の方向とは、インド・ヨーロッパ諸語でいう太陽の方向、あるいは真昼の類にあたる

すべて、大野晋「日本語をさかのぼる」から引用

 

真夜中はキタ、かも

印欧語系では、北の表現は5種類に分かれるそうです。

  1. 真夜中とか、冬とかの語によるもの
  2. 背後の意によってあらわすもの
  3. 左と言う単語で把えるもの
  4. 風の名による命名(「北風」)
  5. 上とか、高部の意

日本語の北(キタ)は、どれかというと、語尾が「あるまいか」となっていることから分かるように、これは大野先生のかなりの推論が入っています。

キタと同音の語を求めると『和名抄』や『類聚名義抄』に黒塩にキタシという訓がある。(中略) つまり、堅または黒にキタが当たっている。堅塩、黒塩とは焼塩であって、黒っぽいものであろう。(中略)また、キタを語根とするものに、キタナシ(汚)という語がある。(中略)してみると、黒・汚の意の語根キタが存在したと考えられるが、これがそのままキタ「北」の語源なのではあるまいか。

結局、大野先生は、キタは1.の意味に結論付けています。

インド・ヨーロッパ諸語に見られる真夜中の意の「北」という語と、これは同じ発想による「北」の把握なのではないか。(中略) 「黒・汚・闇」を表すキタによって「北」を把えたのは自然であろう。

すべて、大野晋「日本語をさかのぼる」から引用

 

南北の意味が不明で、試みは中途半端な状態で終了

 今日は、日本人の方向に関する認識を考えるための最終回として、「南北」をとりあげました。

 

東西と比べて、はっきりした事が全く分かっていないのが意外でした。そんな事があり得るのでしょうか。南北といった基本的な語すら日本語は意味不明とは、さすが謎の言語です。いったいどんな語源だったのでしょう、興味は尽きないですね。

 

残念ながら、古代日本人の方向に対する認識を知る試みは、中途半端な状態で終わりを迎えました。

 

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